
プラント・装置
MVR型廃熱再利用システム
一般的に、蒸留装置や蒸発濃縮装置等では加熱によって蒸発したベーパーは、冷却源にクーリングタワー水等を使ったコンデンサーで凝縮される為、その潜熱分は廃棄されています。
MVRシステムでは、蒸発したベーパーを圧縮機(ファン)により、直接圧縮して、その装置の加熱源として再利用します。
可燃性の流体のケースについては、熱交換器を介し、その潜熱分を冷却側の循環温水を水蒸気として、これを圧縮機(ファン)により圧縮して加熱源として再利用します。
これらの場合、スチーム等の加熱源を使用し、コンデンサーで凝縮潜熱分を廃棄しているケースに比べ、圧縮機(ファン)の電力により廃棄される熱量分を回収し、再利用することにより、エネルギー消費量を大きく低減することができ、CO2の排出量削減に寄与するものとなります。
適用分野
ケミカル分野 食品分野 医薬分野 環境対策分野 無機化学分野 新エネルギー分野
特長
MVRシステムについては、蒸発濃縮装置では既に一般的に利用されています。
しかし、蒸留装置においては、蒸留塔の塔頂と塔底の温度差が大きくなるため、塔頂ベーパーの潜熱を塔底の加熱源として使用するためには、MVRを複数台設置してプロセス条件を満足するよう、圧縮率を上げて対応しています。又、塔頂の熱交換器(コンデンサー)、塔底の熱交換器(リボイラー)について、それぞれ、加熱側と冷却側の温度差が小さくなるため、出来るだけ伝熱係数を大きくとれるように設計し、伝熱面積の過大化を防いでいます。